資本論を基にした読みやすい物語です。
私は、何を思ったのか以前資本論を読んだことがあったので、この本に書いてある内容に驚きはありませんでした。しかし、資本論の内容を知らない人が読んだ場合には、資本論に書いてある興味深い考え方の一端を知ることができると思います。特に、この本でも大事な話題として取り上げている「剰余価値」の考え方については、知っておいて損はないように思います。
また、この本は、「サラリーマン」の生き方を否定する暗い本ではないと思います。それよりは、「サラリーマン」の立場を明確にした上で、それを知った上でサラリーマンをするのも一つの選択であると提案しているように感じました。
実際、私も、資本論を読んだ直後には、雇われて働くことに相当の嫌悪感を感じましたが、今では、生活費の確保のためにサラリーマンを続けるのも悪くないと思っています。